【社会人必見】キャリアの視点に一石を投じる

discussing the career 思考法

皆さんは自分のキャリア(仕事や職業の経歴)を普段どのように捉えているでしょうか? 多くの人は、年収の増減や業界の成長率・安定性などの観点で考える傾向があると思います。

切り口は色々とありますが、今回はキャリアをどの視点(立場)から捉えるかの話をします。 今後の自分自身のキャリアを見つめ直す上で、少しでもお役に立てれば幸いです。

下記の図をご覧ください。登場する視点は個人(P1)、企業(P2)、社会(P3)の3つです。それぞれの視点から見たキャリアの捉え方を見ていきましょう。

キャリアの視点

1. 個人視点

短期的なキャリアの捉え方の例をいくつか列挙します。

  • 個人の興味対象としてのキャリア
  • 生活費等を稼ぐためのキャリア
  • 専門知識やスキルを身に付けるためのキャリア

次に、長期的なキャリアの捉え方の例を列挙します。

  • 人として成長するためのキャリア
  • 自分(家族)の望む人生を築くためのキャリア

2. 企業視点

企業が継続的に活動するために、構成員である社員に求められるキャリアを考えてみましょう。企業の存続に貢献するキャリア(存続型)と、企業のビジョンやミッションを達成するためのキャリア(理念型)に分けられます。

存続型のキャリアの捉え方の例を列挙します。

  • 企業の運営に貢献するキャリア(例:総務、人事、経理)
  • 企業の売上(利益)に貢献するキャリア(例:研究、開発、製造、営業)

理念型のキャリアの捉え方は下記の通りです。

  • 企業のビジョンやミッションを達成するためのキャリア(例:経営)

3. 社会視点

社会視点でキャリアを捉えるためには、仕事や職業の存在理由を考える必要があります。個人や企業に関わらず、原則として仕事の最終目的は、社会(個人や企業の集合体)に付加価値を適正な価格で提供することだと思います。それができなくなると、自然と利益を出せなくなり淘汰されていきます。

つまり、社会に対して付加価値を提供するためのキャリアとして、自分の仕事や職業を見つめ直すことが大切なのです。そこには、個人なのか企業なのかの議論は意味がないでしょう。企業は器であり、単なる手段です。社会に対して付加価値を提供するという目的を達成することが重要なのです。

とは言え、目的を達成するために企業という存在は強力です。しかし、困ったことに手段が目的化しているケースも一部見受けられます。企業統治に関しては、別の記事で取り上げようと思います。

4. あるべき論

個人的な感覚ですが、多くの人のキャリアの視点は、個人(P1)の短期型や企業(P2)の存続型なのではないでしょうか。個人(P1)の長期型や企業(P2)の理念型を追求している人は意識が高い人と言えるでしょう。さらに志が高い人は、社会(P3)の領域にて己のキャリアを構築しようとします。

これまでは個人(P1)の短期型や企業(P2)の存続型のキャリアの捉え方のみでも特に問題はなかったと思います。しかし、最近の世の中の変化は速く、グローバル化や技術革新(特にIT分野)により、企業はますます短命化しています。つまり、企業の視点から見たキャリアのみでは、立ち行かなくなる可能性が高いと言えます。

一方で、ITの発達により、企業という媒体を介さずに個人が社会にダイレクトに付加価値を提供するハードルが下がってきました。インターネットやスマートフォンなどのITインフラを活用すれば、個人でも比較的容易に事業を行える時代になっているのです。この流れはますます加速していくでしょう。

今までは、企業に自分のキャリアを全て預けてきました。今一度、世の中の変化の流れを捉え、個人(P1)の長期型や社会(S3)の視点で自分のキャリアを見直してみては如何でしょうか。

その先に、本当に充実した人生を築くことができるでしょう。