自立塾、はじまる(最終話:物語編)

最終回は、自分自身の事について書いてみたいと思います。社会人になってから現在に至るまでの個人的なエピソードを少し紹介します。人生の歩み方を考える上で、何かしらの参考になれば幸いです。

時は5年前に遡ります。私は大学院を卒業して、社会人としての第一歩を踏み出していました。振り返ると、この5年間は今までの人生において最も密度の濃い時間であったと思います。

とある中堅企業に入社し、エンジニアとして製品開発に携わりました。慣れない業務内容や職場の人間関係により、迷いやストレスを感じることが徐々に増えていきました。それでも何とか仕事に食らい付き、前進しようと努力しました。

しかし、ある日、仕事で大きな失敗をしてしまい、上司や先輩社員から叱責されることがありました。失敗を取り戻すために休日返上で働く日々が続きました。そんな状況の中で、自分の内側で何かが音を立てて崩壊していくことに気づきました。

  • いったい自分は何の為に働いているのだろうか
  • 自分が過去に積み上げてきた実力はこんなものじゃない
  • 自分にあった活躍の場が他にあるはずだ

あの当時、抱いていた気持ちを正確に伝えるのは難しいですが、ネガティブな思考で頭も心も真っ黒に染まっていったのだけは覚えています。

しかし、現状に満足できない一方で、他にやりたい事や情熱を燃やせる対象はありませんでした。
大学院にまで行って、自分のやりたい事を明確にできなかったのは情けない限りです。初めて自分に失望しました。

ですが、幸か不幸か、そんな状況においてもまだ諦めていない自分がいました。なぜか、迷うことなく本を読んでいました。きっかけは忘れましたが、社会人になってからビジネス書や自己啓発本を読み漁るようになっていました。今思えば、この読書の積み重ねが、現在の自分を形成したのだと確信しています。

本から多くの著者の人生観を学び取りました。また、自然と新聞も読み始めていました。最初は書かれている内容が一切理解できませんでしたが、3年以上も読み続けていると、経済や金融に関する知識がかなり身に付きました。

嬉しいことに、経済や金融を学ぶと世の中の仕組みが理解できるようになりました。しかし、本や新聞で得られる情報には偏りや限界があるため、私は実際の社会の現場に身を投じることにしました。

色々な勉強会やセミナー、イベントなど、多くの人が集まる場所に足を運ぶようにしました。いい意味でも悪い意味でも、人との出会いほど刺激を受けるものはないと思います。それも普段会わないようなタイプの人ともなると効果は絶大です。今まで学校や会社で教わった常識に縛られ、どれだけ視野が狭くなっていたかに気づくことができました。

最近になって、ふと考えることがあります。5年前の自分に会う事ができるなら、どんな言葉をかけることができるだろうか。また、同じような状況で悩む人たちに何か力になれることはないだろうかと。

そして、私は一つの結論に至りました。
自立塾を通して、次のような人たちの力になりたい。

  • 現状から一歩前に踏み出したいと望む人
  • もっと成長したいと望む人
  • 自分らしく社会に貢献したいと望む人

最後に伝えたい言葉があります。

「思考を変え、行動を起こし、継続させれば未来が見えてくる」