第3回目の今回は、自立塾が提供する「自立戦略」について説明します。予め、個人が自立を達成していく過程(プロセス)を認識しておくことが重要です。

プロセスを理解する上で、助けになるのが図1に示した「自立戦略マップ」です。塾生の諸君には、このマップの経路に沿って自立していくことを推奨します。では、マップの見方を順に説明していきたいと思います。

自立戦略マップ

図1:自立戦略マップ

マ ッ プ の 軸

「自立戦略マップ」は二次元(横軸×縦軸)で構成されます。横軸は自身の状態(依存 or 自立)、縦軸は貢献の対象(利己 or 利他)を表します。我々が目指すのは、マップ右上の領域(ステージ3:自立×利他)です。

私が推奨するステージ3に至る経路は、図1に示した右上がりの指数曲線です。では、経路上の各ステージの中身を順に見ていきましょう。

ス テ ー ジ 1「思 考」

出発地点はマップ左下の領域(ステージ1:依存×利己)です。

現代社会においては、多くの人が親や企業または国に依存して生活しています。かく言う私も、学生時代は完全に親の世話になり、社会人になってからは勤め先の企業に依存して生計を立てています。

また、医療や老後の介護・年金などのサービスは、大部分が国の社会保険制度に依存する形になっております(一部は民間の保険)。何も意識せずに生活していると、現在も将来も、生活の基盤を企業や国に依存することになるでしょう。

決して、何かに依存している状態が悪いというつもりはありません。企業に勤め、社会貢献に尽力している精神的に自立した方も大勢いるのも事実です。また、北欧のように社会福祉制度が充実している国もあるでしょう。

では、日本で生活していく上で、本当にこのまま何も考えなくても良いのでしょうか?
また、親や企業または国に依存したままの生活が本当に将来も続くと思いますでしょうか?
これらの問題提起に対して、少し時間を取って自分の頭で考えてみてください。

・・・如何でしょうか。いきなりの難問に戸惑っている方もおられるでしょう。思考の枠を広げるために、日本の現状を少し振り返ってみたいと思います。

一昔前(高度成長期:1950年台半ば~1970年台前半、バブル景気:1980年台半ば~1990年台前半)は、企業の業績も個人の所得も右肩上がりの好景気が続いていました。

しかし、バブル崩壊後は景気悪化によるデフレ経済が現在まで20年ほど続いています。この間、国内消費の停滞が企業業績を低迷させ、それがリストラや個人所得の減少に波及してきました。所得が下がると、個人は財布の紐を締めるため、益々消費が落ち込むという悪循環に陥り、国の経済成長は低下していっています。

景気回復のために、国は公共事業を中心とする大規模な政策を実施してきましたが、今ひとつ効果が上がっておりません。むしろ、赤字国債の発行が続き、日本の財政状況は先進国の中でダントツに最悪になっています。

さらに、今後は少子高齢化が加速するため、それを支える社会保険(医療、介護、年金)のシステムが維持できなくなることも予想されます。加えて、IT技術の発展やTPPに代表される経済連携により、益々とグローバル化が進むと考えられます。つまり、経済的には国境という概念が無くなってきます。

従って、今後は新興国の低賃金労働者やロボット(人工知能)などに、国内の職が奪われるといった事態も想定しておかなければいけません。

日本の現状を色々と書きましたが、すべてを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えていくことが大切です。難しい経済情勢は分からなくても、親の時代と比較して現在の生活は厳しくなってきているなど、皆さんも肌で実感できることは多いのではないでしょうか。

今後、世の中はどのように変化していくのか、自分の勤めている企業や職業はどうなっていくのか、より充実した人生を送るには何をしていけばいいのか、など日々少しずつ考えてみましょう。

この自分で考えて思いを抱く行為こそが、「自立戦略マップ」におけるステージ1の「思考」に他ならないのです。ただ何となく日々を過ごすのではなく、そこに少しずつでいいので自分の「思考」を織り交ぜていくことが大切なのです。

この「思考」を何度も何度も繰り返していると、自分が将来どのようになっていきたいのか、その為には日々どのような選択をしていけば良いのかが少しずつ見えてきます。これが「依存」から「自立」への第一歩となります。自立には2種類(精神的、経済的)あると書いてきましたが、この「思考」が与えてくれるのは精神的な自立です。

では、経済的な自立を達成するにはどうすればよいのか?
そのヒントについては、ステージ2の説明で言及したいと思います。

後半に続く。