今回は先日参加した「キャリアデザイン」に関するセミナーの内容を纏めてみたいと思います。少し主観が入っていますが、ご容赦ください。

タイトル  :21世紀型キャリアモデルのコンセプト
講師    :野津 卓也(Career Identity Inc.代表)
ホームページ:http://www.career-identity.com

いきなり核心に入りますが、講師の方曰く、最近はキャリアが慢性的に機能不全に陥っている社会人が非常に多くなっているそうです。この状態を「キャリア難民」と定義されていました。従来の「20世紀型のキャリアモデル」を踏襲したままでは、非常に危険であると警鐘を鳴らしていました。順を追って説明していきたいと思います。

20世紀型のキャリアモデルとは?

キャリアモデルはその時代の国の教育の在り方と強く連動します。日本は戦後、米国などの先進国に追いつくために、量的な生産で拡大成長してきました。その主体となる企業は、構成員である従業員の雇用や賃金を長期に渡り保障してくれました。その仕組みとして、企業のために身を粉にして働いてくれる優秀な従業員が大量に必要でした。従って、日本の教育は「義務的」で「偏差値重視」の受け身的な教育になりました。

企業側としては、社員を単なる材料や道具として見る傾向があり、社員のキャリア教育や支援を怠ってきました。その結果、企業任せのワークキャリアが定着し、個人の人生は就職した企業により大きく左右されるようになりました。個人側も、企業に入ることがキャリアの目的となり、社会に果たす使命や役割という観点で自己のキャリアを考えることが希薄になっていきました。

このようなキャリア構造は、高度経済成長期のような時代では上手く機能しました。しかし、バブル崩壊後の時代においては、徐々に綻びが目に付くようになってきました。なぜなら、社会構造が大きく変化し、また個人の価値観も多様化している現在では、自分の望む人生と、企業から与えられたキャリアでミスマッチが発生しやすくなっているからです。

社 会 構 造 の 変 化

現在の日本や世界で一体何が起ころうとしているのか。「20世紀型のキャリアモデル」から上手く脱却するためには、これを理解しておく必要があります。

先ずは日本の社会構造について見てみましょう。バブル崩壊後は景気対策などの目的で国は赤字国債(借金)を発行し続けています。その額は1,000兆円前後に達します。これは先進国の中で断トツに最悪の状況と言われています。すぐに国家破綻に直結する状況ではないと思いますが、常識的に考えても芳しい状態ではないでしょう。このままでは、子どもや孫の世代に大きい負担を強いることになりかねません。

また、少子高齢化による社会保険制度の負担増が現役世代に重くのしかかっています。社会保険制度の維持のために増税も避けられないでしょう。不景気(デフレ経済)のため、年収も上がりにくく、このままでは家計の可処分所得が減っていく一方です。将来の不安から過度に貯金し消費を抑えるため、景気はさらに冷えていくという悪循環に陥ります。

次に産業構造ですが、よく聞くキーワードとしては「グローバル化」と「デジタル化」でしょう。日本の少子高齢化と市場縮小により、製造業を中心に海外に展開していかなければ企業は生き残れない状況になっています。また、中国や東南アジアを中心とする新興国の台頭で、ますます競争は激化していくでしょう。さらに国境を越えたM&Aや業界再編により、企業のリストラも増加すると予想されます。今後は、人工知能やロボットなどの技術革新により、職が代替される危険性も注視しなくてはいけません。

21世紀型のキャリアモデルへ

過去と現在の状況を簡単に振り返りましたが、そんな状況において個人のキャリアはどのようにあるべきか。企業任せではなく、激変する時代に負けない確固たる「キャリアの意思」を持つことが重要だと講師の方は仰っていました。

長期的には、何をするか(What)や、どのようにするか(How)に目を向ける前に、何のためにするのか(Why)を自問自答することがキャリアの出発点となります。次の2つの問いを考えてみてください。

  • 自分はどのように素晴らしい人生を歩みたいか
  • 自分はどのように才能を活かして、社会に貢献(社会と価値を交換)していきたいか

短期的に考えれば、今働いている会社では、自分が望むキャリアを構築する上で必要な知識やスキル、人脈を得るために全力で頑張ることが重要です。

今後は、社会に貢献(社会と価値を交換)できる個性的な職を自分で能動的に創り上げていくことも重要になってくるでしょう。私も含め、多くの方が自分の望む人生を達成するキャリアを作れるように願っています。微力ながら私も支援を継続していきたいと思います。

「21世紀のキャリアモデル」について、さらに深く学びたい方は下記の書籍をお勧めします。